三重県が栽培面積「日本一」を誇る「なばな」。「なばな」には和種と洋種があり、春先に店頭に出回る蕾を食べる「早春菜花」とは違い、同じアブラナ科ですが、洋種菜種の芯の部分を若菜とともに摘み取ったものです。
もともと「なばな」は、「ツミナ」として販売されていたそうですが、昭和40年代に長島町で「なばな」とネーミングされたのが最初だそうです。その後三重県の特産作物の一つとして「三重なばな」は全国に広く流通しています。県内各地で栽培が普及して日本一の栽培面積を誇っています。
「三重なばな」は寒くなるこれからの季節、10月頃から収穫が本格化し、暖かくなる春3月まで出荷が続きます。
「なばな」はビタミンCがほうれん草の約2倍も含まれ、カルシウムや鉄分も豊富で栄養価の高い葉菜です。食味にくせがなくおひたしや炒め物、あえ物やお鍋などどのような料理にも合う野菜です。主産地は長島町や松阪市ですが、今回取材させていただいた伊賀地域でも、平成9年頃から生産者の方が増え、現在64名の方たちが栽培に従事しておられるそうです。農業に従事されている方の高齢化が進み、白菜やキャベツ等の重量野菜から収穫負担が少ない軽量野菜の栽培へと作柄変更される方が増えているとのこと。ますます生産量が増えるかもしれません。
近くで収穫真っ最中の生産者の方にお話を伺いました。機械での収穫ではなく、写真のように1本づつ摘み取るのは大変みたいですが、慣れた手で1本1本と作業が進んでいきます。収穫後春先までは次々と脇芽が育ち、順次収穫されるとのことです。
集荷場に戻って担当の方にお話をお聞きしている間にも、次々と袋に入ったものや近隣用の箱に入った物が運び込まれてきます。ここ伊賀盆地も寒暖差が大きく、葉菜の「三重なばな」の栽培も注意が必要と言うことです。でも温度差が大きくなってくるこれからの季節、寒暖差により旨味と栄養が蓄えられ、伊賀産の「三重なばな」も秋から春先の旬野菜として東海・大阪地域の店頭に並びます。是非一度味わってみてください。
(2006年10月 掲載)
※取材内容は掲載時によるものです。
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