”なにわの伝統野菜”のひとつ、鳥飼なす の収穫が始まっています。大阪府摂津市鳥飼地区の特産で、戦後しばらくは、
”まぼろしのなす”と呼ばれていました。今回は、摂津市の農業振興会の方々によって、栽培、保存育成されている畑に伺って、収穫の様子を見せて頂きました。
大阪府の資料によると、
鳥飼なすは、江戸時代、天保の頃には既に栽培の記録が有ると言う。昭和に入ってから戦前までは、多くの農家が栽培しており、市場でも人気がありましたが、栽培に手間が掛かる事や、農地の宅地化、農家の減少などで栽培が一時激減しました。そんな中、熱心な一農家(辻氏)のおかげで、現在では前出の農業振興会や市民農園、学校などで少しずつ栽培が広がっています。
この日伺った畑は、ショッピングセンターや工場、住宅などが立ち並ぶ一角。振興会の農家のお話では、約500平米程、連作障害を避ける為、隣接の田圃と一年交替で栽培しているとのこと。この日は7人の農家が手分けして収穫、選別、箱詰めと手際よく作業をすすめます。1箱に8個箱詰めにされた茄子は、色艶よく、やや下ぶくれ、大きさはソフトボール大、摂津市が通信販売しています。キズや大きさなど規格はずれのものは、取り分けられ、後日、市内の学校給食になります。鳥飼なすを使ったメニューには、スパゲティーなどもあり人気があるそうです。
通信販売用の収穫は、7月いっぱいで終わり、その後、9月末までやや小振りの大きさで、ワイン漬用に収穫が続きます。ワイン漬の鳥飼なすは、冷凍保存が出来、11月に摂津市で行われる、農業祭での人気商品だそうです。この日手に入れた鳥飼なす、早速、揚げびたしと煮物にしていただきました。さわやかな甘み、やわらかい食感、煮くずれも少なく、油との相性はやはり抜群です。もっともっと栽培が増えるといいですね。
摂津市での通信販売は1シーズン400箱ほど、また摂津市では、希望者に鳥飼なすの苗の配布もしているようです。
(2009.7.5)
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