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各地の海・山・里の旬な食材・収穫シーンを紹介してます。
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なにわの伝統野菜”のひとつに、泉州黄玉葱があります。日頃目にするタマネギとは姿形がすこし異なり、どちらかと言うと、上下を押しつぶした様な平たい姿をしています。代表的な品種には、貝塚早生、今井早生などがありますが、もうひとつまぼろしの黄玉葱があります。それこそが今回取材させていただいた、泉南郡田尻町の吉見早生です。





この吉見早生、昭和の終焉と共に栽培されなくなり、市場から姿を消していたのですが、今から三年前の平成18年、田尻町内の農家の床下から、大切に保存されていた種が発見されたのです。100gの缶詰にして数十缶、保存の環境が良かったおかげで、当時の大阪府の技術センター(現、大阪府環境農林水産総合研究所)に於いて、発芽させるに至り、20年ぶりの復活となりました。今年三年目になりますが、田尻町のたまねぎプロジェクトとして、町おこし、農業や町の活性化を計る活動が続けられています。





今回は、田尻町役場の 加藤 寛昭さん、農業委員会の 向井 清隆会長 にお世話いただきました。今年、吉見早生を栽培している農家は向井会長の一軒だけで、およそ5畝。昨年は不作だった様ですが、今年は上々の作柄とか。当日は朝から引き抜いたものを、自作のカッター(鎌と腰掛けを一体にして、座りながら、根と葉を切れるように工夫したもの)で玉だけにして行きます。畑にごろごろと転がる玉葱は独特の形、10センチをはるかに超え、15センチ以上のものもたくさんあります。つぎつぎにコンテナに入れて行きますが、さすがに5畝の畑では、4人掛りでも収穫を1日で終わらせるのは無理のようです。
         
    



向井さんの玉葱、安心しておいしい野菜を食べてほしいと、大阪府のエコ農産物の認証も受けています。認証には、品目ごとに細かい数値の基準があり、伝統野菜の栽培の難しさに加え日常の気遣いがうかがえます。4月半ばに伺った時には未だ6~7センチ程だった玉は、向井さんの掌よりも大きく育ちました。水分が多く、甘くて美味しい。カレーなどに入れてもその甘さは格別とのこと。だだし、水分が多いので長期の保存に向かず、保ってもせいぜいその年の夏までだそうです。



       

今はまだ栽培量が少ないため、一般市場には流通していませんが、加藤さん達は近い将来、田尻町のブランド野菜として市場に出せるまでにしたいと考えておられます。今年は、5月24日に田尻漁港で泉州黄たまねぎ祭が催され、吉見早生の試食・販売もありました。残念ながら参加出来ませんでしたが、楽しみにしていた人々で賑わったようです。

写真撮影用にいただいた玉葱ですが、おいしくてあっと言う間になくなって終いました。来年を楽しみに待つとしましょう。




詳しく知りたい方は、コチラを覗いて見られてはいかが。
http://www.town.tajiri.osaka.jp/


2009.5.15
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