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各地の海・山・里の旬な食材・収穫シーンを紹介してます。
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今夏、前半の天候不順の後、連日の真夏日が続きついついビールに手が出てしまった人も多かったはず。ビールと言えば、麦芽とホップ。ということで、岩手県遠野市にホップの様子を見に出掛けてみました。遠野は日本一とも言われるホップの産地です。


今回お世話になったのは、高清水(たかしみず)高原の麓で農家をされる濱田和雄さん。濱田さんはすでに30年以上も大手ビール会社との契約でホップの栽培をされています。







ピークを迎えた8月下旬は、毎日、午前3時には身の丈の数倍にもなるホップの収穫を始めます。大きなコンテナにギュウギュウ、しかも山盛りに刈り取った蔓を作業場に運びます。早朝の刈り取りは、濱田さん、奥さんともう一人手伝いの男性との3人です。作業場には5、6人の手伝いさんがそれぞれの持ち場で待ち受けます。

ところで、ご覧の皆様はビールにおけるホップの役割をご存じでしょうか。あの独特の芳香とホロ苦さのもとであることはご存じでしょう。ただ、それだけではありません。「ビールの生命」とまで呼ばれるホップにはもっと凄い役割があるのです。もともとドイツあたりではビールを長持ちさせる為に使われていたのです。









【ホップの主な働き】
 1:香りと苦みを与えること。
 2:雑菌の繁殖を抑えること。
 3:余分なタンパク質を固め、分離してビールを清澄にすること。
 4:ビールの白い泡を作ること。

香りと苦みは、毬花の鱗の根っこにできるリプリン粒という粘性の黄色い粒に含まれるホップ油(香り)とホップ樹脂(苦み)が作り出します。ホップは桑科のツル性多年草です。栽培は気候条件に大きく左右され、国内ではその栽培適地は限られます(北海道、山形、長野、岩手など)。

毎年、収穫が終わると根っこを残して刈り取ります。翌年春にはまた芽を出します。こうして12、3年栽培を繰り返します。濱田さんは水稲栽培も手がけており、田植えの頃、伸び始めた芽をより上に伸ばす為のツル上げを行います。ご高齢のご両親のお仕事だそうです。

さて、お話を戻して、作業場に届いたホップは毬花の付いた部分を残しツル部分を取り除きます。
ベルトコンベアで毬花と枝ツルを分ける機械へ送ります。
毬花だけになったホップは階上の乾燥室に送られ乾燥後、袋に詰めて出荷します。





濱田さんの所では、日に200〜250kg、そのシーズンでは3トンほどの出荷になるそうです。地元では後継者も少なく、契約栽培で安定したところもあるとはいえなかなか厳しいようです。
仕事を終えての一杯はやはりビール。Kラガーがうまい!とにこやかにお話し頂きました。

(2006年8月 掲載)
※取材内容は掲載時によるものです。
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