室生赤目青山国定公園を流れる青蓮寺川は御杖村が源で、ススキで有名な曽爾村を経て年間25万人の観光客が訪れる紅葉・奇岩の渓谷美、奥香落・香落渓から青蓮寺ダムへ流れ込んでいます。
今回の取材先は三重県名張市の香落渓(かおちだに)渓谷内に設置された青蓮寺川香落漁業協同組合(菅尾孝作組合長、組合員58人)の落ち鮎の簗(ヤナ)漁。
俳句の季語にも登場する落ち鮎(他 鮎落ち、錆鮎、下り鮎、秋の鮎)
簗漁は秋に産卵のために下流に向かう鮎を竹などを組んだ簗で取る伝統的な漁法。
下流にダムができるまでは盛んにこの漁がやられていたらしいですが、現在では9〜10月の時期にのみ行われていると言うことです。
おじゃました日は、台風13号が日本海へ抜けた日で朝早い時間は相当漁獲があったそうです。通常雨で川が増水したあくる日など多い時で大漁になるとか。
鮎は「香魚」とも「年魚」呼ばれ、たった1年で短くも力強い生涯を終えるはかなさ。さわやかな初夏を代表する川魚で、優美な姿と上品な香りと味が魅力です。
夏を過ごし立派に成長した鮎は、晩秋にかけ、産卵のため内蔵にたっぷり栄養分を蓄えます。鮎好きな人に聞くと、落ち鮎(子持ち鮎)の頃が一番美味しいと言われます。
開設当初は竹でやっていたのですが、安全第一を考え鉄パイプで組んだ長さ10メートル、幅6メートルの簗場では、今月24日に地元観光協会主催の、子どもたち対象の簗漁体験イベントが開催される予定です。
※詳しくは市観光協会(0595・63・9087)へ菅尾組合長のご好意で、卵と塩焼きをごちそうになりました。
アユさんには申し訳ないですが、臭みもなく美味しく頂きました。
現地では鮎販売もやっているそうです。
(2006年9月 掲載)
※取材内容は掲載時によるものです。
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