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いよいよ味覚の秋到来の気配ですが、一足お先にワインの醸造所を訪ねて来ました。





全国的な知名度は低い様ですが、今回お訪ねしたのは、大阪府柏原市にある キングセルビー という銘柄でワインを造られている、カタシモワインフード(株)の高井利洋さんです。ご存じの方も多いかと思いますが、一般的には柏原ワインあるいは河内ワインとして知られています.



朝、伺いますと作業着に前掛けといういでたち。まさに社長自ら陣頭指揮で引っ張る活気のある醸造所です。さっそく工場へ、ぶどうの搾りを見学。前の日にスキンコンタクト(破砕した皮と実を同一タンクで低温熟成)された甲州種(カタシモ本ぶどう)を、手作業で手際よく搾り機に移して行きます。

見る間に下の大きなトレイに滴り落ちます。このジュースはもう一度冷蔵庫で寝かせます。農園を案内して頂けるという事で一旦、工場をはなれぶどう畑のある合名山に移動です。数分の移動で河内平野を一望するなだらかな山腹の農園に着きます。この辺りの山は、南に向いて傾斜し日照時間が長く、明治の初期に国策によるぶどうの導入がなされた時からぶどう栽培に適した土壌だったとのこと。その上、当時の農家の人々の努力による技術の向上も手伝って、昭和の初めには生産量日本一を誇っていたそうです。ぶどう畑には収穫を待つばかりのぶどうがたわわに実っています。








今年のぶどうの作柄はいかがですか?

色々品種がありますが、デラウェアの色着きがあまり良くない。夏の雨と日照不足で色が薄いんです。それでも糖度は充分にあります。甲州、巨峰、マスカットベリーAなどは例年以上に色も濃く糖度も高くできがいいんです。糖度が上がると酸度が下がり始めるのでその時は早めの収穫になります。

ワインの造りはいかがですか?

今年は甲州種(カタシモ本ぶどう)で高級志向の辛口、ほんのり辛口やスパークリングワインなんかも造ります。

甘口、辛口の基準はどんなところですか?

ワイン中の残留糖度が目安で、およそ7〜10%が極甘口、2.5%以下で辛口。簡単に言えばそんなところです。


デラ各種 高井さんの農場では100%ワイン用のぶどうを栽培しており、除草剤を使わず可能な限りの減農薬栽培に取り組んでいらっしゃいます。収穫されたぶどうはエコ農産品として認められています。

高井さんの造られるワインとはどんなものですか。

私は日本人に合うワインを造りたいと思っています。日本人の食生活、味覚に合致したおいしいワイン 。そのワインができる風土にマッチしたワインを造りたいんです。例えば、魚に合う赤ワイン!日本のぶどうで造る日本人の為のワイン。海外のワインと競争しても仕方がない。

具体的に何かお薦めのものはありますか?

ジャパニーズグラッパ!私は以前から日本のぶどうで作ったグラッパを飲んでみたかったんです。特に初溜は自分で作らないと飲めませんから。





高井社長はグラッパの蒸留器を手作りしてしまったそうです。
そればかりかワインの醸造に関わる色々な機械、器具を自ら発想し創意工夫で個性あるワインを造り続けています。

山を下りて貯蔵樽などを見た後、テイスティングルームに案内して頂きました。お薦めのグラッパは流石に納得のうまさ。なかでも初溜、限定70数本のものは香り、甘み、とろみ、すばらしいの一語です。。

醸造所の歴史など色々うかがった中で、流石に西日本でも最古のワイン醸造所であることを認識させられたエピソードを1つ書き添えます。ワインを造るために必要なワイン酵母、今でも多くの醸造所で使われていると言うOC2号と言うぶどう酒酵母があります。
実はこの酵母、かの著名な発酵学の権威、坂口謹一郎氏の手によって当時この醸造所で使われたぶどうの皮からとりだされたのだそうです。国産ワインの発展にかかわる偉大な歴史です。





※ テイスティングルームは階上にありますが、そのテイスティングルームと階下の貯蔵庫は国の登録文化財の指定を受けています。

そして今、高井さんは地域との関連のなかでより意義のある事業展開をしようとされています。ぶどう生産農家との関わりのなかで果実の有効な利用法を模索し実践しているのです。過剰なぶどう、生食用としては不良なぶどうなどのワイン原料としての可能性、廉価な子供向けの清涼飲料の開発など、歴史的なものと将来の夢。元気をいっぱいいただいた取材でした。

(2006年9月 掲載)
※取材内容は掲載時によるものです。
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