秋雨前線のおかげで青空は見えるものの、雲が多めの9月の最終日、三重県名張市の青蓮寺湖畔の観光村にある青蓮寺湖ぶどう組合ぶどう狩り園におじゃましました。
同組合はイチゴ部とブドウ部28〜9名で構成され、1〜6月はイチゴ狩り又7〜10月はブドウ狩りが開園されています。2005年度は東海・近畿各府県より44,000人の観光客の方が来園されたそうです。青蓮寺ダム(多目的ダム)ができて42〜3年。その当時5〜6軒のブドウ農家の方が栽培されていたそうです。その後だんだんと仲間が増え15軒ほどになった頃に、市の観光協会とタイアップして観光ブドウ狩園が本格的にスタートしたそうです。
今回ご案内いただいた梶本組合長は30年続く3代目でブドウ一筋。特にブドウ狩りのお客様が訪れるブドウづくりは「食の安心・安全」面も当然ながら、毎月1回県の指導員が訪れて消毒や品質、土づくり、選定などについて全員で勉強会を開き、安心でクオリティの高い美味しさを追求されているとのこと。同園のブドウ狩りは7月のデラウエアから始まり、スチューベン、巨峰、紅富士そしてマスカットベリーAと10月一杯続きます。他にキャンベルアーリー、伊賀クイーン(安芸クイーン)、モモタロー(瀬戸ジャイアンツ)も栽培・販売されているそうです。
さて、取材させていただいた今回の主役マスカットベリーAは、組合長さんの園で47年目を迎える巨木。園内のブドウ棚には袋掛けされたベリーAが、沢山視界に飛び込んできます。あちらこちらで来園されたカップルや年輩のご夫婦、子供連れのお客さんがブドウ棚の下で食べられていました。色は黒紫色で巨峰とは又違った色と濃厚な甘さ。今年のベリーAは糖度ののりが例年より早く、平均17〜18.5度。昨日現在の糖度最高値が21度だったそうです。
撮影のために袋を外していただいた一粒をいただきました。「う〜ん、なるほど甘い!」さすが、精魂込めて育った一粒の甘味は強烈でした。※参考ですが、完熟トマトの糖度が6〜7度だそうです。今までにデラウエアの糖度最高値が23〜24度だそうで、これは白砂糖の甘さとか・・・。ブドウは花が咲いてから、約70日で口に届くと言われるらしいです。写真のベリーAは青紫の白っぽい色に見えます、この実の表面に付いている白い粉を農薬と間違う方もあるようですが、これは白蝋(はくろう)という果粉だそうです。この粉が付いているほど、新鮮。もちろん無害ですからご心配なく!この白蝋が散って黒紫色になるほど甘味が乗っている目安らしいです。
ぶどうの甘さは、果糖とブドウ糖ですばやくエネルギー源となるので、疲労・体力回復にも効果的。又ポリフェノールやアントシアニンも含み動脈硬化の予防や抗酸化作用で老化の予防にもなりヘルシーな食材でもあります。親子3人連れで来られていたお母さんも、赤ちゃんの口に・・・。安全育ちのベリーAを美味しそうに食べていました。取材させていただいている間も、次々とブドウ狩りのお客さんが絶えず、食べ放題なので「お腹いっぱいです。美味しかったです。」とお忙しそうでした。
観光村では10月9日に来園の方にむけて、餅つき大会を予定されています。
詳しくは:
青蓮寺湖ブドウ組合(TEL.0595-63-7000)まで
これからは観光客の方に、周辺の観光名所と連携をとった複合的な楽しみ方を提案できたらと仰っていました。地産地消、街おこし・・・ぶどう作りに端を発してさまざま夢をお持ちのお言葉でした。初春にはイチゴ狩りを取材させていただくことで、帰路につきました。
「マスカットベリーA」巨峰にも勝るテイスト。
(2006年10月 掲載)
※取材内容は掲載時によるものです。
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