デパートやくだもの屋の店頭には今、各地の桃が所狭しと並べられています。長い梅雨の晴れ間をえて、和歌山県紀の川市桃山町に、名産の
あらかわの桃の取材に行ってきました。伺いましたのは、桃山町元にある 藪本畑下農園(やぶもとはたしたのうえん) さん。案内していただいたのは、奥様の あずさ さん。ご主人とそのご両親とともに頑張る、若くて元気な、一児のお母さんでもあります。
農園に関しては、
http://www.yabumotohatasita.com/index.htmまで。
夏場の収穫の殆どがそうであるように、今回もまた早朝5時のスタートとなりました。朝日が斜めに差し、桃の色が見えはじめるといよいよ収穫の開始です。この日収穫の桃は、清水白桃(しみずはくとう)、 色白で上品な甘さ、桃の女王的存在です。
白鳳(はくほう)の収穫を終えて、7月末あたりまでが最盛期になります。前日までにかなりの収穫があったとの事で、この日は比較的のんびりムード。脚立の上で収穫されるお父様の ちかひろ さんにお話しを伺いながら合間にシャッターをカチャッ。収穫用のコンテナ20個ほどでこの日は終了です。その後は、自宅直売所に持ち帰り選別に入ります。
収穫された清水白桃は、よそに比べると少し赤みが差しています。聞いてみると、この農園では、独自の販売ルートで消費者の元へ届けており、出来る限り
木なりで熟させることで充分な甘みの桃にしているとのこと。出来れば完熟一歩手前ぐらいにしたいとか。そんな桃の糖度は、13~17度、稀に20度を超えるものもあるそう。注文した人の多くが完熟の味ののった桃を喜び、リピーターとなるようです。一般的には、輸送時のアタリやキズなどの問題もあり、まだ青い位で出荷し、追熟させます。藪本さんのところでも、追熟を待つ桃を見せていただきましたが、よりおいしい桃を提供するためのこだわりで、元々の意味がちがいます。
桃の木は、3年以降10年ほどで収穫に至り、30年を過ぎると衰えるそうで、藪本さんの所でも3年前に若木を植えて有りました。今の農園は、ご主人とあずささんのそれぞれのお爺さまが、一代で作り上げたもので、お二人は今後、専業を目指して少しずつ大きくしていきたいとか。後継者難や放置農園など、様々な問題をかかえながらも頑張る農家のモデルケースになれればと、キトサン使用の減農薬栽培、特別栽培農産物生産圃場の認定など、安全な食物の生産に関わる農家として近い将来、無施肥無農薬の桃の提供を目標に頑張っていらっしゃいます。
(2009.7.23)
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