菜種油(なたねあぶら)は、主にセイヨウアブラナから採取した植物油脂の一種で古くから食用及び食品加工用に利用されています。不飽和脂肪酸のオレイン酸やリノレン酸、αリノレン酸を多く含んでおり、生活習慣病予防などに効果があり、近年ヘルシーな食材として又バイオディーゼル燃料(BDF)としても人気があります。その他、なたね油かすとしても窒素肥料として広く使用されています。
三重県伊賀市では、2007年の3月からバイオマスタウン構想に基づき、休耕田や遊休畑を活用して菜の花の栽培が行われています。「菜の花プロジェクト」では新しい地域ブランド作りや観光事業の魅力アップ、BDF精製などが計画されています。
市内の各所で栽培されていますが、2009年の10月に菜種畑の土起こし作業をされている現場でお話を伺いました。当地は山あいで、他の作物も含めシカやサル、アライグマの獣害に悩まされています。例年9月から11月の間に種まきになるのですが、当地区では獣害のおそれの少ない2品種がこの後種まきされます。
3月から4月にかけて各地では一斉に菜の花が満開を迎え、黄色の菜の花絨毯が目を引きます。今年は約32ヘクタールが栽培されており豊作が期待されます。
これまで滋賀県で搾油されていたのですが、国産菜種の搾油施設としては国内最大級の「菜の舎(くら)」が4月26日に完成。生産能力は1日当り菜種3トンから菜種油1トンが製造可能で、6月から稼働しています。
前年の秋に種まきされた菜種は、莢が結実して膨らみ収穫が間近です。早い所では6月初旬から収穫期を迎えます。今年の作柄は天候不順もあり、平均を少し下回ったそうです。
各地区で収穫された菜種は、「菜の舎」に集められ、乾燥、調整、焙煎、搾油、精油、瓶詰め後販売されます。エクストラバージン菜種油など数種が観光協会や生産直売所等でも販売されています。
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