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前回取材の「三島うど」の関連で茨木市太田の太田神社に祈年祭の取材に行ってきました。





三島うどが祈年祭の神饌品(しんせんひん)の一つとして納められると聞いたのがきっかけで、当日写真だけでもと思い訪れたわけです。神饌品と言うのは、神事において祭壇に祀られるもので、お酒・水・塩・米・魚や昆布などの海産品・果物・野菜などですが、ここでは特産の三島うどが野菜の一つとして以前から納められていました。この祈年祭ですが、としごいのまつりと言われ農耕、主に稲作を基盤として国家が成立した律令時代、天武天皇の時代にはすでに行われていた記録があるそうで、その主旨は五穀豊穣、国家繁栄を 祈る祭祀ということであった様です。現在では春、農作業が始まる前に一年の豊かな実りを祈る年中行事の一つとして、秋の新嘗祭(にいなめさい)と対をなすものとして行われています。ご存知のとうり新嘗祭は、収穫の終わりに一年の実りに感謝を捧げる祭りです。





ここ太田神社は、延喜式の神名帳にも載せられた由緒正しい神社。氏子さんたちが毎年持ち回りで行っています。本来ならばもっと多くの人が集まるはずですが、神社の周りを見ても住宅ばかり、小高い神社の境界ぎりぎりまで宅地開発が進んでいます。農業に携わる人も少なくなっているのでしょう。一時間たらずの間、神事は粛々と進んで行きました。





稲作中心の農耕社会が国の礎であった時代からすれば、食料自給もままならない現代に行事として耳続けられているのも何か不思議なものです。
 
(2009.3.10)
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